もくれん製作所の家

建築設計を志して明治大学建築学科にて建築を学びました。

実際的な建築に興味があった中で、学部3〜4年次に建築家の日置拓人氏と左官職人の久住章氏の指導のもと、「陶芸家のゲストハウスをグループで設計し自力建築する」という課題を選択し、1年がかりで埼玉県秩父に遠征し泊まり込みながら協労作業する中で、自ら設計した建築を自らの手を動かして作る事に強い充実感を覚えました。

卒業後、十数ヘクタールの敷地で通称「エコ村」なる持続可能な環境共生型のまちづくりを計画していた滋賀県の地方ゼネコンに就職し、計画に参画するため住宅建築部門で現場監督として経験を積んでいましたが、現場管理をする中で各種の職人さん達と関わり、たまに手伝いをするうちに、学生時代に覚えた自らの手で作る充実感がムクムクと蘇り、自分も職人として確かな技術を持って自らの手で家を作りたいという想いが強くなり、就職から3年後に会社を辞め、木組みや手刻み等の本物の木の家を作る技術を学ぶ為に南房総の親方(村上建築工房)のもとに転職し、約6年間修行をさせてもらいました。

木造建築の軸組構造体をプレカットではなく手刻みで作る事は、手間と工期がかかる為建築コストが高くなる事や刻みの技術を持った職人が減っている事、相当な規模の設備や施設が必要になる事などから現在(特に都内などでは)あまりやっている工務店は無くなりました。

弊社もプレカットでは加工が無理な部分や最終的に現しとなって見える仕口や継手以外は基本的にはプレカットを導入していますが、(予算や条件が揃えば全て手刻みの家づくりもしたいと思っていますが)木組みの墨付け、刻みとは、柱梁の材料の剪定も含めて住宅の構造体の木組みを耐震性や最終的な納まりまで想定、考慮して一から作る事なので、その経験が有るのと無いとではプレカットを用いて住宅を創る場合においても洞察の深さや観点、視点の広さが大きく変わってきます。

お施主と話し合いながら設計をし、現場で多種の職人と素材や細部の納まりを確認しながら指揮し工程を進めていく、自ら木材を加工し家を作る、という家作りの細部から全体までの全てを網羅する知識、技術を得た事により、設計デザインや工法の提案の自由度も広がりました。

前社での現場監督の経験を下地にして、村上建築工房で設計、手刻み、現場造作、現場管理等々の経験を重ね、家づくりの総合的な技術を習得し、その間に一級建築士の免許も取得し、地元の東京都町田市で独立開業しました。